2013.11.17
週末、遊びに来ていた叔母が、「いつまでやったかな‥。京都でやってる竹内栖鳳の展覧会、行きたいねんけど‥」というので、京都市美術館「近代日本画の巨人 竹内栖鳳展」へ。
若い頃、日本画を勉強していた叔母は「ネコの目が忘れられへん‥」とかなんとか‥。
下の「斑猫」(大正13年)という作品のことです。
私にとっては、なかなか画期的な展覧会でした。
私の展覧会めぐりは、とても鑑賞と言えるものでなくて、作品ごとに「この絵すごく好き!」「これ嫌い」みたいな直感的な子供っぽい見方‥。
ところが、今回の展覧会では、ぱっと見ただけでは、好きと、苦手の触れ幅が大き過ぎて、「これほんとに同じ人の作品なの?」という不思議な感覚が。
で、描いている竹内栖鳳ご本人の生き方に興味が向く。
確かな古典の力量を持ちながら、それに拘泥する事なく、常に新たな表現をめざして、「やってみよう」「もっとよく見よう」「描いてみよう」って、おそれずチャレンジをし続ける。「この人すごいな」って。
チャレンジは生涯ずっと続き、画風も作品により大きく変化するけど、螺旋状に、自由自在の高みに向かっていく。
達人がもっと上のランクの達人になって行く。
この竹内栖鳳が「80歳になったら、画壇からも何からも解放されてもっと自由自在に描けるだろう」といって80歳の境地を楽しみにしていたというのだから驚く。
さして高くないレベルの成功に安住の地を見つけて、精神的な楽隠居を決め込んでは、この高みは絶対にありえない。
チャレンジすることの清々しさを教わったような気がする展覧会でした。
雑記最新記事