2023.04.07

大阪が誇る名店、工芸店ようびの店主・眞木啓子さんが、素晴らしい書籍を出されました。
「ようびの器 ものみな美しき日々のために 眞木啓子著 青幻舎」
(この、素晴らしい本は、清左衛門にもあります。是非、手にとって見てください!)

眞木さんは、まさに「歩く日本文化」。
私の遥かなる憧れであり、かすかにでも近づきたいと勝手に慕っている心の師匠です。

今回、この本を拝読して、さらにさらに眞木さんのすごさがしっかりわかりました。
豊かで・健やかな毎日を送り、美しく力強く人生を送りたい人にとっては必読、いや座右の書とすべき一冊かも!、と思います。

いったん読み終わった後も、折に触れて、気まぐれにどこかの1ページを開けて、味わってみたい。そんな書籍です。
きっと、そこには忘れかけたあなたの中の宝物や、豊かな日常を取り戻すワンフレーズが入っていますよ。

ここに書かれているのは
決して難しいことではありません。

眞木さんの「一汁一菜のすすめ」から、豊かで健やかで美しく力強い日常をはじめてみませんか。

眞木さんは、「日常こそが大切」とおっしゃいます。
以下、抜粋(色文字)です。

和食器への理解は、毎日使うことが最大の近道です。日々、本物はよりいとおしく、つまらないものは色あせてきます。 (p29)
日常があってこその非日常なのです。日常を大事にせずして、どうして高い次元の非日常があり得るのか。
これからも私は、心を養うための小さな「わんや」として精一杯、ご日常のよき器をご紹介して参りたいと思っています。(p59)
食器は毎日つかっていて飽きないもの、使いやすく洗いやすくていねいに出来たものをよく吟味してお揃え下さいませ。また、是非オススメしたいのが、お膳とお箸置きです。(p11)

「ようび」の器は、本当に長く使えて飽きがこない、値打ちありすぎと感じるものばかりです。

毎日使う、ご飯茶碗と、お味噌汁のお椀といくつかのお皿とお膳と箸置き。とりあえず、これだけあれば、心豊かな毎日がおくれます。
そしてシンプルなご飯とお味噌汁中心の食事を基本とする。

シンプルだけど上質で、心にしみるこういう食事を大切にするだけで、心と体の土台が整います。
たとえ、くじけそうになった時でも、健やかな勇気と漠然とした自信が蘇ってくると思います。

お若い頃の眞木さんの連載もそのまま掲載されていて、とても魅力的。

 

漆器のページはとにかく圧巻。
「ようび」の始まりは、眞木さんのお兄様・漆芸作家の野田行作氏の作品を紹介することだったので、とりわけ漆器に対する想いの強さ・奥行きの深さがすごい。
それに続く磁器、陶器の話もとても興味深い。

詳細は、本書を読んで頂くとして…。

眞木さんのおっしゃる、人の手跡(てあと)のある、あたたかみを感じる美。
小手先の装飾的なものではなく、長く実用に耐える、野性味をも兼ね備えた力強く人間的でその上、時代に磨かれ洗練された美。

毎日使っても飽きのこない美。
自然で自由。自由なのに、調和がとれて品格がある。

釉薬や漆の素材の話は、身近な食品で言えば、精製塩と天然塩の違い、精製された白砂糖と含蜜糖との違いに通ずるものがあってとても興味深く思いました。
適度な不純物を含んだ釉薬、漆の美しさの奥行き、適度な不純物を含んだ自然な風味の奥行き‥。

 

京都の名店・俵屋さんをはじめとする納品先の素晴らしいお店の紹介もあります。

名古屋の山の井さんは、お店丸ごと、眞木さんがプロデュースされたとか‥。素敵!!
実は、清左衛門が全く無名の頃から、愛用し続けてくださっているのが、この山の井のご主人、凄腕料理人の文山正彦さんです。
(文山さん、嶋さん、毎度ありがとうございます!!)

さて、
柄にもなく、私は、眞木さんにお会いする時、いつでも少し緊張しています。

眞木さんは直球勝負の方だと思います。
率直なご意見は、ときに厳しいこともありますが、すっと心に届きます。

そこには、「この人をもっと高みにつれていってあげたい」という愛情の裏打ちがあるからです。
ご自身も、そして周りの人たちも、「よりよきもの」になるようにチャレンジし続けるファイトを持ち続けている方です。

清左衛門も、眞木さんのお言葉で、改善してきたことがいくつもあります。
いつもほんとにありがたく思っています。

やんちゃ煮

最後に‥
この素敵な本に、清左衛門のやんちゃ煮くんが脇役で登場しています。(嬉しい〜!!)

絶対、読んでくださいね!!

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