2023.03.23
意識の高いお客様や、レベルの高い食品を作っている業者さんから、表示ラベルを確認して言われるんですよね。
「なんで、清左衛門ともあろうお店が、三温糖なんか使うの?」
「わかるわかる、わかります! でも聞いて下さい!」って感じです。
確かに普通の三温糖は、
白砂糖(清左衛門が全く使わない)を作って行く過程で
不純物(色、香り、ミネラルなどを含む)を取りのぞきながら、
白いお砂糖を結晶させていって、
もうこれ以上、白砂糖は作れません状態のあとに作るお砂糖。
ほんの少しミネラル分が残った
加熱でちょっと茶色っぽくなって独特の風味がついたお砂糖という感じ。
(もともとは、3回温めるから三温糖というらしい・・、実際はもっと何回も加熱するみたいですが。)
おまけにその色にもバラつきが出やすいから
大手の砂糖屋さんなんかでは、カラメル色素を添加して、色味を一定にすることも多い。
要するに、
①かすかに残ったミネラル分と
②ちょいと焦げることで
茶色い色と少し風味がつきましたという代物です。
つまりほぼ色付きの精製糖なわけです。
で、も、
清左衛門が使っているのは、これとは全く別物。
糖蜜分をたっぷり含んだ、含蜜糖のような豊かな風味のお砂糖です。
(でも、砂糖の分類上は、三温糖になってしまうんだそう。)
清左衛門が、創業当初から使っているのは
「蜜を含んだ自然な甘さ・アラバン三温糖」(写真)
「アラバン三温糖」と出会ったのは、その昔、大阪ミナミの戎橋筋商店街の入り口付近にあった「珍味屋」さんという自然食を扱うお店。
珍味屋さんは、上等のトビウオの干物やめざしなどの酒の肴や、それこそいろんな珍味やナッツ、天津甘栗、こだわりの調味料や、無添加のお惣菜など幅広く取り扱っているとても個性的なお店でした。
駆け出しで名もない清左衛門の「やんちゃ煮」とか「贅沢茶漬」を、初めて置いてくださったのもこのお店。
「安全安心で美味しい品物を置きたい」っていう熱意のあるお店でした。
今は、携帯電話屋さんになっていますが、一角でこだわりの天津甘栗だけを販売されています。
珍味屋さんの話はさておき。
そこで見つけた「アラバン三温糖」
断然美味しくて、清左衛門の調味料の一つとして選びました。
もともと白いお砂糖は使わないと決めていたのですが、黒糖だけでは、風味が強すぎてちょっと料理には使いにくい。
そんなとき、出会うべくして出会ったお砂糖でした。
珍味屋さんが、自然食品店を廃業されてからも、ずっと直接お願いして、使い続けています。
アラバンの三温糖は、普通の三温糖の作り方とは全く違います。
白砂糖を作った残りから作るのではありません。
原料糖から精製工程をできるだけ少なくして作り(ほんとに取るべき不純物だけ取り去る)、さらに、別のラインの白砂糖を作るために取り去った糖蜜分をためておいて、加えるという工程をとっているんだそうです。
ためておいた糖蜜分を加えることで、蜜分をたっぷり含んだ独特の三温糖に仕上げているのです。
だから、原料糖(粗糖)よりもずっと糖蜜分が多く、風味が強くなるんです。
ここでは省略しますが、今回知った、お砂糖の製造工程は、想像を遥かに超える複雑さ。
丁寧に説明してくださったアラバンさんに感謝です。
これからも美味しいお砂糖をよろしくお願いいたします。
アラバン三温糖、清左衛門の店頭でもゲットできますよ。
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