2014.01.19

エネルギーから経済を考える

「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」という会があります。
「地域で再生可能エネルギーを中心としたエネルギーの自給体制を作ること」を目標に、各地の中小企業の経営者達が立ち上げた会議です。

やみくもに感情的に原発に反対するのではなく、経営者として事業の継続、発展を見越した上で、冷静な観点から日本のエネルギー政策を見直し、現実的に一歩ずつ脱原発を進めようとする人たちが作っているグループです。
根底に流れているのは、とてもシンプルな「限りあるエネルギーを大切に使おうじゃないか」という考え方のように思います。エネルギーを大切に使う小さな工夫と努力を続ければ、そもそも危ない原発も必要ないのではないか、と。

「限りあるエネルギーをを大切に使う」「危ないものは危ないと感じる」という冷静な当たり前の感受性と判断力、「正しいことはやらなければならない」という決断力と行動力をともなった健やかな志がここにはあると思います。

エネルギーから経済を考える、中扉

小泉純一郎、細川護煕の二人の老元首相が、東京都知事選に「脱原発」を持ち出して、云々されています。都知事選にふさわしい争点ではないという一点で、かつての千両役者の首でもとったかのように「殿、ご乱心‥」と言ってみたり、冷笑と言っていいような顔つきで「かつてのスターが過去の栄光を再び」的なコメントをする方が多いですね。

私には、少し残念に思えます。確かに、本来は国政選挙で問うべき内容かもしれない。でも実際には何年も先まで、そのチャンスはないし、基本的に安倍政権は古い方の経済界の顔色ばかりみているし、声を上げて国民にアピールするにはここしかなかったのでしょう。

小泉純一郎、細川護煕元首相

そんなことよりも、私はこの両、老政治家の「純情」に心を打たれるのです。この人たちには、もう地位も名声も何にもいらないでしょう。細川さんだって、心静かに器でも焼いていれば幸せじゃないですか。小泉さんだってそう。ほっといたって、一生人気者でしょう。その安穏を捨てて、立ち上がったこと自体に、少しくらいは敬意を払ったっていいじゃないですか。老人の肉体に、壮年の、もしかしたら、青年の眼差しを蘇らせて、なんとかしたいと燃えている老政治家に、「どーせできっこねーよ」「アホちゃう」みたいに、自分たちは何ら研究することも挑戦することもなく知った風な口をきく、あるいは、心底では一定の共感を持ちながらも気恥ずかしさから賢そうな無難な見通しを述べてみる、そんな人たちって人間的にどうなんだろう。

はっきり言って20年ほど前、政治をあきらめていた人たちにまで新風を巻き込んでおきながら、やーめたって言った細川さんにも失望させられたし、小泉さんがアイドルのように人気者だった時も、私はあまり好感をもっていなかった。でも、原発に関するコメントを聞いて初めてこの方が、その名の通り「純」な人間であることに感銘を受けたのです。

2011.3.11のあの出来事で、「根本的に考え方を変えなければならない」と方向転換をはかったとおっしゃる。それは、真っ当なことだと思うのです。人間はときに判断を誤る。でも、それに気づいたら、変えなきゃ。大震災のあの原発事故を経ても、まだ何一つ変えようとしない、変わろうとしない、それって一体なんなの?

「オンカロ」の髑髏(どくろ)のサインは、まさにブラックユーモアでしょ、どう見ても‥。「あんなものを大真面目に考えた時代があったんだね」と後世の人に笑われちゃうシロモノでしょ。(まあ後世があればの話ですけど‥。何しろ10万年以上とか地中に封じ込めなきゃ駄目なんだから‥)

感情でモノを言うから女はだめだねって声が聞こえてきた〜っ。そろそろや〜めよっと‥。
脱原発なんて、感情でモノをいうアホな女子供か、理想論ばっかりの文化人と芸術家のいう戯言、とおもっている「偉〜い」経済人が多いから‥。

でもね、何十年も作られ守られてきた自分たちのパラダイム(あるいはパラダイス)をおかされそうになって「変えるのはやめてくれーっ」「変えるのは、絶対反対ーっ!」って、感情的になっているのは「偉〜い」経済至上主義の方々なのではないかしら?

話を戻します。タイトルの「エネ経ネット」は、私のような単純なおこりんぼうではなく、スマートな商売上手の中小優良企業の経営者の人たちが、冷静に自分たちの地域、従業員の明るい未来を描くために作った団体です。とっても現実的です。

エネルギーから経済を考える、中扉

まずは、かまぼこ屋さん(有名な鈴廣さん)の社長、鈴木 悌介さんの著「エネルギーから経済を考える」をパパッと読んでみてください。
なるほど、出来るかも、と希望をがわきますよ。

ただ、帯の菅原文太さんの文句は、内容をちょっとミスリーディングするようで残念です。
「エネルギーを大切にする暮らし」の未来はこんなに「渋くて暗い世界」ではないのだから‥、これは文太さんの単なる好みの問題です。

エネルギーから経済を考える、帯

賢くて明るくて粘り強くて愛情の深い 中小企業の親爺さん達を、見てきました。
どれほど尊敬の出来る、魅力的な人たちか‥。
地に足の着いた味のある人たちが、自分たちの頭でしっかり考えて、志を同じくする人たちと協力し合って、日本をいい方向へ導いて行くなんて、とても素敵じゃないですか?
心から期待しています!

エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議

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