2015.04.03
何とも可愛いパターンのこのお豆、「とら豆」です。
数ある豆の中で、最も味が良いと称されている豆です。
美味しい煮豆を作るなら絶対はずせないアイテム。でも、実はとっても難しくて厄介なお豆。
清左衛門創業の頃、母の友人で頼りになるスタッフとして手伝って下さった田村さんは、かつて雑穀を扱う店を営んでいました。
だから色んなお豆に詳しかった。
「佳子さん‥。そりゃ、とら豆な〜、美味しいけど難しいわ〜。」
美味しくて難しい! 余計にやってみたいじゃないですか。
とにかく、割れ易くて、一瞬目を離して、ぐらっと噴かしてしまったら、一巻の終わり。
とら豆にチャレンジし始めた頃、もうチョイというところで何度ダメにしてしまったことか‥。
大きな鍋で長い時間かけて作ったのに、ほとんど割れてしまって出来上がりがびん詰め2、3本ということもしばしば。
泣きそうになりながらも、意地を張って作り続けて、漸く上手に仕上げる方法を確立してきました。
もちろん、まだまだ発展途上ですけど‥。
とら豆は、噴かしたら一巻の終わりだし、ビビって、弱火で炊き続けても、ちっとも美味しくなりません。
清左衛門では、とら豆を美味しくする為に、割れないように煮ることより、割れるかわれないかのギリギリを狙って炊き上げています。
その上、煮汁を出来るだけ濁らせないようにするため、所々で、割れすぎた豆を選別して行きます。これが実に大変。手間のかかる仕事です。
なんとなくほっこりふっくら美味しそうになってきましたよね。
清左衛門では、精製度の低いミネラルを残した三温糖を使用して煮て行くので、琥珀色の美味しそうな仕上がりになります。
とら豆独特の風味を最大限にするにはしっかり炊かないといけないし、そうかといって、炊きすぎると、豆が固くしまってしまうし、とにかく手強いお豆です。
美味しそうに炊きあがりました。
今では、番頭の勝山さんが、上手な名人技でとっても美味しい「とら豆」を仕上げています。
多少のワレは気にしないといっても、あきらかに割れているものは、はねていくので、とら豆のびん詰めは他のお豆に比べてうんと大変です。
琥珀色のびん詰めはとても元気でいい感じです。
とら豆は、豆の味がとても良いので、煮汁も抜群に美味しく、お芋をたいたり、お菓子に利用したり、とってもポテンシャルが高いです。
虎の聖地で、まだまだ、とら豆のポテンシャルを引き出す美味しいモノ作りをしたいと思っています。
派手に割れてしまったお豆はワレ独特の美味しさがあるのでパックに入れて、即冷凍保存。ハネで販売しちゃいます。
甲子園店ご来店のお客様ご愛用のはね豆です。
そのうち、とら豆まわりのアイテムが増えてくるかもしれません。乞うご期待です!
雑記最新記事