2013.11.27
福島県のお客様が、リンゴを贈って下さいました。
赤ちゃんの頭くらいある、大きな立派なサンフジです。
蜜が入って、甘くて、しみじみ美味しいリンゴです。
リンゴを贈って下さったお客様は、2011年、東北大震災の年の御歳暮の注文書の中に、長い長いお手紙をしたためて下さいました。
そのお手紙には、大震災後の福島のご様子、大変な中にも無事であった事への感謝の気持ち、そして津波より地震より遥かに恐ろしい見えない「放射能への恐怖」が切々と語られていました。たしか、「愚痴になりました…」と結ばれていたように記憶しています。
大震災の様子は、関西でも連日報道され、胸をいためているつもりになっていましたが、実際には、おそらくその100分の1の辛さを想像する事すら出来ないのだと思いました。
同じ年に、最愛の母を亡くした私は、「ホントに神も仏もないんだな。」「それでも、人間は生きていくんだな…。」と。
「生き甲斐」って、「生きていくこと」そのものなんだな、と。
その後、何も出来ないから、せめて、美味しい佃煮とかお惣菜とかを少しお届けしたり、またお客様の方からお酒やリンゴやお米を送って下さったり、お電話でお話するうち、東北がとても身近になってきました。
あれ程の、大事故をおこして、世界中だれひとり制御できない原発のことを、たった2、3年たっただけで記憶が薄らいで、なんとなく能天気に、「だって、経済困るじゃない」とか「なんとかなるんじゃないの?」ってイージーに考えちゃいけない、と私は思います。
エネルギーに関して、どちらを向いても「いばらの道」を歩かなきゃならないんでしょうけど、出来る事なら「闇」に向かって歩くより、「光」に向かって歩きたいと思いますね。
「放射能検査の分析成績書」が同梱されたリンゴの箱には、元気な文字で「お元気ですか?」と印刷してありました。
大変な中にも、どことなく暖かく明るい福島の人々の雰囲気が感じられました。
あたたかい気持ちのこもった希望のリンゴ、清左衛門一同、ありがたく頂戴いたしました。
本当に有難うございました。
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