2013.10.03
清左衛門の額、揮毫して下さったのは、故花田峰堂先生。
隷書の大家です。
祖母の代からのおつきあい。
ちいちゃい頃から「花田先生に書道を習って欲しい」というおばあちゃんの願いもむなしく、その頃は全く興味がなかった‥。
今は亡き母と清左衛門を始めたとき、根がミーハーな私達は、表札も超一流がいいなあと、先生にお願いに伺いました。
すっかりかすれてしまって見えにくくなってますが、最初にお願いした表札です。
初めてお目にかかった先生(母は一応お弟子さんでしたけど)は、高名な偉い先生なのに「よっしゃ書いたる」と、とってもきさく。
完成した表札を受け取りに伺ったとき、お留守だった先生がタイミングよく外出からもどってこられました。
表情から服装まではっきり覚えています。
「来とったんか…。」
心斎橋で、好きなお酒を一杯引っ掛けてこられたかえりで、草履履きで、ご機嫌で…。
「気持ちええのう…。」
「ええ木い、使たで…。ええ墨、使たで…。」と表札を渡して下さいました。
何とも言えない、おおらかな「達人感」に圧倒されて、弟子になる!と決めてしまいました。
書道をやりたいとは全然、思っていなかったけれど、この人物の弟子になりたいと思ったんです。
お弟子さんは私のほかは全員、かなりの腕前の書道の先生ばっかり。
その中で、小学校の授業以来、初めて筆を握るド初心者の私の裏口入門がスタートしました。
僅か数年の間でしたが、先生の裏口入門の一番弟子(自称)として教えて頂いた事は、書道も、それ以外の事も、生涯の宝となりました。
ホントに大好きな大好きな心から敬愛する先生でした。
(いつかへ つづく)
雑記最新記事