2015.11.21
この前の日曜日、DFC秋の遠足 —山獲でジビエと10割蕎麦をアテに昼酒を堪能する会 with 横尾シェフワインセミナーに行ってきました。
※DFC 団田さんファン倶楽部(大阪名物・関西名物研究会)
兵庫県三田の山の中。
講師のレストランヨコオの横尾淳シェフ。
今日は2回目のワイン講座ですが、猟師料理を楽しみながらの気軽な感じ。
今回は、料理とワインのマリアージュ、和食編その1。
なんと、今日の講義のために、横尾シェフは、事前にこの山奥(失礼!)までワインをたくさん持参して、メニューとのマリアージュを吟味してくださったそうです。相変わらずだわ〜、横尾シェフ、尊敬!
で、ざっくりまとめると(実は写真とったり、うろうろしていたので、肝心要のところ聞きそびれていて、嘘八百かも。横尾シェフ、添削お願いしますね)
フレンチなど西洋料理は、味を重ねていく、いわば「足し算の料理」。
力強くて、余韻も長い。したがってフランスの余韻が長く続く強いワインを持ってきても負けない。
一方、和食は、色んなものをあまり足していかず素材から引き出してくる、そぎおとした「引き算の料理」
すっきりとして、余韻も短い。
だから、フランスの強いワインを持ってくると、料理が負けてしまって。最後に料理の印象が薄くなり「ワインが美味しかった」となってしまうらしい。
結果、今回のワインセレクトは、何よりも食事のあとで、料理が美味しかったと感じるものをセレクションしたとのことでした。
付け加えて、和食にワインを合わせるのは思いのほかむずかしかった、とも。
そして、今回選ばれたワインのリストは、
①たこシャン2014 (カタシモワイナリー)
②甲州テロワール・セレクション 金山2013 (勝沼醸造)
③アルザス ゲヴェルツトラミネール 2013(アルベール・マン)
④利果園マスカットベリーA 2012(カタシモワイナリー)
⑤シャトーヌフ・デュ・パプ ルージュ2003 (テール・ブランシェ)
⑥ラ・シレーヌ・ド・時スクール2007(シャトー・ジスクール)
⑦サヴィニー・レ・ヴォーヌ プルミエ・クリュ オー・クルー2007(ドメーヌ ダルデュイ)
(横尾シェフのレジュメより)
たこシャンだけ、かろうじて写真が‥。これだけ大変な思いでリストアップしてくださったというのに〜、
猪の肉、
赤ワインにつけた鹿肉、雉、でっかい椎茸などと炭火焼しているうち、
そして、牡丹鍋などしてるうち、おしゃべりしてるうち、
ワインとのマリアージュは、よくわからないうちに終わってしまいました〜。
すごく勉強になったっていう方もいらっしゃったのに‥。
不肖の弟子でございます。
私たちみんなのアイドル、団田芳子さんは、ジビエブームの昨今、かつての「イタ飯」ブームの時と同じく、日本のそこかしこでなんでもかんでも、「ジビエ」と名付けりゃ売れちゃうだろう的風潮に苦言。いつもながら、ゆるめのトークの中の鋭い指摘が素敵です。(こちらも写真撮りながらでこころここにあらず、聞き逃しも多くてゴメンなさい。)
今回の講義で学んだのは、和洋の料理の成り立ちや性格の違い、そこで担うワインの役割の違いと選び方のポイント。
横尾シェフの講義は、枝葉末節の知識には、全く頓着なく、本質的な基本的なことを教えてくださるから、私みたいなワインについてな〜んにも知らない人にでも楽しいんです。(前回の講義分はちょっとだけ身に着きましたよ。それだけでもかなり嬉しい!)
横尾先生、ありがとうございました!
そして、両者のこの力強さや余韻といった性格の違いって、料理にとどまらず、和洋の芸術、国民性いろんなものの底流にながれているんじゃないかなあって思ったりして‥。
重厚なヨーロッパ。
オペラ(本格的なのは観たことございませんが)、バレエの華麗なるカーテンコール‥。カーテンしまる、拍手、カーテン開く、お辞儀、カーテンしまる、拍手、カーテン開く、お辞儀、カーテン閉まる、拍手、カーテン開く、お辞儀‥。もうええんちゃう、手ェ痛いし‥ってほどの余韻〜。
一方、軽さが美徳(?)の日本。
どんなにすごい演目でもチョンチョンで終わって、観客がさっさと立ち上がる、あのそっけない歌舞伎の幕切れ。
今は亡き勘三郎さんや玉三郎さんが国際的に活躍されるようになって、歌舞伎でもスタンディングオベーション、延々とカーテンコールをされるようになって‥。それはそれで仕方ないけれど、どことなく何となくちょっと残念かなあ。あの、大袈裟でないさっぱり感が、らしかったのに‥。(私、もちろん勘九郎さん、玉三郎さんの熱狂的なファンですよ。一番は仁左衛門さん(孝夫さんと呼びたい)ですけど。)
落語もしかり、オチでスパッと終わるのが目的、みたいな芸能なんだから。
性格もどちらかといえば、あっさりしていますよね。臥薪嘗胆とか恨み骨髄という凄味よりは、水に流してことを荒立てず、渡る世間に鬼はなしとかいいながら平和的でお人好しな感じ。執念ぶかくない一方で、大事なことまですっぐ忘れちゃうという欠点にもつながるけれど‥。
今度、生まれ変わる頃には、きっとグローバリゼーションが進みに進んで、日本人も何人もなくなって地球人になってしまっているかなあと思うけど、それでも、遺伝子の片隅に「あっさりしたお人好しな、ものを作るのが大好きな、そして頑張り屋さんだけど、どことなくゆる〜い日本人のDNA」を少しだけ持って生まれたいなあ。
話がえらいところへ行きましたが、奥の深い勉強のできたとても楽しい遠足でした。
DFCの皆さま、ありがとうございました!
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