2015.06.27
ここは大阪の老舗の胡麻屋「和田萬」さんで専務をされていた和田大象さんのお店「世沙弥」
先日、ここで Love Stone Project オープンセサミというイベントがスタートしたのでお邪魔してきました。
2015年から2020年まで、石を紙やすりだけでピカピカに磨くというアートプロジェクトです。
誰でも参加でき、毎年紙やすりの粗さを細かくしながら巨大なハート型の石を6年の長い年月をかけてピッカピカに磨きあげるというもの。
チョット考えただけでもワクワクしますよね。
出不精の私が、いそいそ出かけて行ったわけです。
Love Stone Projectは、今までにNYやイタリアなど世界80カ所で、8000人の人たちとハートの石を磨いてきたそうなのですが、その中でも一番大きな石が今回の石(なんと3トン)みたいです。
Love Stone Project
大象さんが、ゴマの栽培で縁のふかいトルコの石を選ばれたそうです。
そういえば、その昔、胡麻についていろいろ教えてもらったとき、「一番美味しいのは?」「トルコの金胡麻!」みたいにおっしゃった記憶があって、いまだにうちでは「トルコ産の金胡麻」を中心に使っています。(勘違いだったらゴメンなさい。)
トルコの石は、異国情緒たっぷり。やさしい薄くピンクがかった乳白色みたいな軽石みたいな感じは、日本ではお目にかからない雰囲気。
実は私が到着した時は、お子様タイムの終わり頃だったみたいで、楽しそうな子供達でいっぱい。店内でご挨拶とかしているうちに楽しそうに磨いていた大勢の子供達はおうちに帰ってしまい、大人タイムへ。
たおやかな美しい手、逞しい手、いろんな手が一心に紙やすりで磨いていきます。
写真左手の白い服の男性が、彫刻家の冨長敦也さん。さすが姿勢もいいですねえ。
一心に磨いてると気が付いたら何時間も経ってることがあるらしいですよ。
一心、無心ていうのはなんか気持ちがいいですね。なかなか最近そういう機会がないけれど、人間の本性なのかしら‥。
それが証拠に、一応解散した、子供達が、もっと磨きたいといって帰って来ました。
ちいちゃい可愛い手で、無心に磨き上げて、ときおり、との粉でまっしろになった自分の手を眺めている姿はなかなかのものです。
磨き方も、一箇所をず〜と磨く人、移り気なのかあるいは大局的な観点からなのかアッチコッチを磨く人など性格がでます。
石磨きはなかなか面白いです。
この楽しいイベントの立役者がこのお二人。
和田大象さんと湯浅央子さん。
私がもっている大象さんのイメージは、
まずは、毎日胡麻食べてるとこんなに綺麗になるの?っていうほど、いっつもお肌ツヤッツヤなこと。
(私も触発されて、いっとき毎日毎日、胡麻豆腐と胡麻和えを作って常食していました。その頃は、ほんとにツヤツヤでした。皆さん、胡麻はいいですよ!)
そして、「インテリあきんど」で「絶滅危惧種である旦那衆の雰囲気を持つ人」ということ。
時空を超えた不思議なちょっと妖怪的な雰囲気(これ、褒め言葉です。)も漂わせていらっしゃって、お着替えして利休とかの茶室にいても全然違和感なさそうな‥。
初めてお目にかかったのは、再建大阪そごう(あの、すぐダメになった)のこけら落としのグルメ催事の打ち合わせの時。料理研究家の大先生と一緒に大阪の名店ですっかりご馳走になりました。初対面から「インテリあきんど〜」素敵だなって思いました。
自らも歌人で、歌集もだしてらっしゃる大象さんは、食、芸術、文学、芝居、落語など守備範囲の広い知識人(多分)で、学ぶことに貪欲(おそらく)なのに佇まいはとってもソフト(たまに逆上)。遊び心と余裕。憧れの旦那衆でいらっしゃいます。(お洒落な象さんのTシャツにも注目です。)
湯浅さんは、アートコーディネーターをされている方ですけど、元々はそんなことは全然知らず、清左衛門のお客様でした。
なんと道野シェフの還暦のパーティの会場で「清左衛門さん?お久しぶり!」と声をかけてくださいました。
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それからぐっと親しくしていただいてるうち、大象さんとしょっちゅうご一緒なさっていることを知り、不思議なご縁にびっくり。
地元に喜んでもらう、地元の子供たちに楽しい交流の場となるようななにか、と考えていた大象さんと、冨長さんのLove Stone Projectを湯浅さんがコーディネートして、今回の素敵なイベントとなったそうです。お店の前の広場のど真ん中にハート石を設置してピカピカになった後もずーっとそこに置いておく。磨いた子供たちには、ほんとに宝物になるでしょうね。
今回久しぶりに世沙弥に伺ってあまりの変容にビックリ仰天❗
お洒落な扉を開けたとたん、現代アートの作品のジャングル状態。
以前は、どちらかというと上質な無機質なガラーンとした空間から、壁一面のガラスを通して、素敵なお庭を眺める感じだったのに、そして2階は蕎麦打ち部屋だったのに。
アートジャングルは通路から、メインのお部屋、そして2階にまで侵食していました。(湯浅さんによると、蕎麦道具は立ち退かされ、大象さんのあの美味しいお蕎麦は今は作ってもらえないらしい。)(残念ながらカメラを置き去りにしたため、室内は撮りませんでした。)
今回のトルコの石と同じく世沙弥の前に設置された巨大な石。(屋上から撮ってます)これはアジアの石らしく、どことなくお馴染みさんの雰囲気ですね。
この娘も素敵。
アートジャングルのこれからが楽しみです。
そして Love Stone Project オープンセサミ 6年後のハート石をご期待ください!
大象さん、湯浅さん、冨長さん、楽しいイベントをありがとうございます!
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