2013.11.05

さてさて、少し間が空いちゃいましたけど、「うね乃」の社長直伝、「鰹節聞きかじり講座」の2回目です。
今回は、水揚げされたカツオが、かつおぶし(枯本節)となって、京都の「うね乃」に届くまでの鹿児島での行程です。
(例によって、間違いがあるかもしれませんが、判明した時点で訂正しますのでお許し下さい!)

まずは、かつおふし(荒節)完成までの道
 

水揚げされた、鰹節に最適なマッチョな筋肉質のカツオ達は、熟練の職人さん達の手でどんどんさばかれて行きます。(生切)

 

鰹節 生切

それから、きちんと並べられて「煮熟」という行程へ。
ここで鰹節のカタチが決まるそうですよ。

ご主人に教わったところ、鰹節はまっすぐのモノがいい。見た目の格好だけでなく、削ったときの味の違いが出てしまうとか。奥深すぎてびっくりです。姿が綺麗でなくては行けないという事は、すなわちそれぞれの工程での仕事に丁寧さと熟練が必要という事になります。これまた、本物の味づくりの現場すべての共通項です。

形よく仕上げる為にきちっと並べて煮沸してさまして、小骨をとってからいぶしていく。

鰹節 煮熟

この時、カツオが浸かっている煮汁は、昔は産業廃棄物として捨てられていましたが、いまや商魂たくましい人たちが、「鰹節エキス」として利用しているとのこと‥。これでも天然素材が使われているという演出にはなるんでしょうね。
ちなみに、「うね乃」さんは、「エキス」と称するものには、ものすごく抵抗をもっていて、絶対にお使いになりません。「得体が知れない」、「素性がわからん」というモノを絶対に使わないという姿勢は、清左衛門が尊敬するお店が、皆さんおっしゃる基本中の基本です。

食品偽装が色々言われますが、結局は作り手の人格の問題です。信用できる人が作る物は間違いがないのです。

鰹節 骨抜き

そして、職人さんが、丁寧に骨抜きしてから、いぶしていきます。

下の写真がいぶしているところ。

鰹節 焙乾

何となく、神々しい雰囲気すら漂ってますよね。

煤乾2

位置を変えながらじっくりいぶすこと、確か2週間ほど‥。

煤乾_3

そしていぶしが完了したら、ふしの表面に少しだけ残っている皮下脂肪をグラインダーで取り除きます。
とても熟練の要る作業です。美味しくする為にきっちり脂は削り落として、でも削り過ぎはロスがたくさん出るし…。

整形_1整形_3

ここまでで、ようやく「かつおふし(荒節)」の完成です!!

いよいよ、かつおぶし(本枯節)に‥

 

黴付

出来上がったかつおふし(荒節)に、カビをつけて(上写真)、室(むろ)で寝かして‥。
これもたしか2週間くらいっておっしゃったかしら?
(ちなみに鰹節を美味しくするカビは、確かブルーチーズのカビと同じ種類ともおっしゃってました。)

天日干し_1

天火干し。そして再びカビ付けをして室(むろ)で寝かせて再び天火干し。この作業を状態をみながら数回繰り返してようやくようやく、「かつおぶし(枯本節)」の出来上がり!

鰹節ができる工程を元英社長自らが撮影された味のある写真とともに、丁寧に教えてもらいましたが、とてもじゃないけど、十分な理解にはほど遠い…。
ただひとつわかった事は、気が遠くなるほどの工程をふんで、あの美味しさの固まりのような鰹節が出来上がっているという事。雑に味わっては罰が当たる…。

「炊きたてのご飯に削りたてのおかかの幸せは、やっぱり幻想ではなかった」ですね。

でも、美味しさの為のこの真面目な非効率に見える旨味つくりの工程をすっとばして、成形した節をアミノ酸の液につけ込んで作っている鰹節もどきも、表示上は鰹節として通っていると聞いた事があります。消費する側も、ホントの美味しさを知って、自分で真贋を見極めるようになりたいですね。

世の中にやすいものと化け物はない!とかいいますが、最近は高い物のなかに化け物がいるらしいので要注意です。

こうして、完成した「かつおふし」と「かつおぶし」が、京都の「うね乃」に届けられ、さらなる進化をとげていくのです。(次回のお楽しみ!)

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