2013.10.29
今回は、この間、うね乃の元英社長に教えてもらった鰹節の「ききかじり講座その1」です。
盛りだくさんなのでちょっとずつ行きますね。
お料理好きの方は、是非一緒にお勉強して、知ったかぶりぶりしましょうね!
ただし、聞きかじりなので、誤解もあると思います。わかった時点で訂正しますのでご容赦下さい‥。
私たちのイメージする鰹節ってこれですよね。これは「かつおぶし」
カビの力を利用して、かちんかちんに乾かした世界一固い食材。「枯本節」と言われる物です。
一方、下の写真の左が、漢字で書いたら一緒になってしまうのですが、「かつおふし」。荒節と呼ばれます。(左から2番目は荒節の血合い抜き)
「かつおふし」は、かびをつける前の節で、水分量は約18パーセント。
味が濃くてパンチのあるのは「かつおふし」の方とのこと。
「花かつお」とか原材料表示をよく見ると「かつおのふし」とか「かつおのかれぶし」とか「荒節」「本枯節」などと書いてあります。
「かつおふし」と「かつおぶし」、料理の用途にあわせて使い分けるのが基本です。
右二つはかつおぶし。(一番右が血合い抜き)
「かつおぶし(枯本節)」は「かつおふし(荒節)」にカビをつけて、カビの力を利用してさらに乾燥をすすめたもので水分量は12パーセントくらい。
味はこちらの「かつおぶし」の方があっさりして上品とのこと。これが本来の鰹節、「枯本節」といわれるモノです。
製造工程は、本当にびっくりするほどの手間と時間とかけての感動もの。(また、今度ご紹介しますね。)当然、高価になります。
ところが、本来美味しさを求めた結果として出てきた水分12パーセントという数字が、一人歩きをはじめて、高価な「枯本節」を名乗る為に、乾燥機で水分量を12パーセントまで下げて表面だけカビをつけてハイ出来上がり!というモノが出回っているらしい…。
本来の枯本節の美味しさを持たない、名前だけの本末転倒の「枯本節」が横行しているのでご注意下さいね。
写真は、水揚げされたカツオたち。
鰹節にふさわしいカツオは、たたきにして食べて美味しいカツオとは全く違うそうです。
だいたい、カツオに限らず、節にする魚は、サバでも、イワシでも、マグロでも、普通に寿司屋で食べて美味しいような脂ののった魚はNG。体脂肪の少ないアスリート風のマッチョな魚が良質な節になるそうです。
清左衛門がイワシやサバを探すときと反対ですね。マグロ節のマグロなどは、ヨコワより小さいモノらしいですよ。
脂が多いと酸化して、出汁に酸味がでてしまうとか。
外見で模様の筋がシャープに際立っているのがいいんですって。写真見せてもらっても確かに縞々ハッキリ、きりっと筋肉質で格好いい感じ。
カツオの大きさも、色々だそうですが、うね乃さんは4~4.5キロくらいの魚を使っているとか…。大きすぎる物は大味で、小さすぎる物は味が淡白、これは清左衛門が使う、穴子なんかにもそのまま通じるところです。魚のサイズはとても重要です。
目利き、原材料選びがものすごく重要である事は、食品に携わるものすべてに共通することなんですね。
世界に誇る日本の宝物の鰹節の物語は、はじまったばかりです…。(つづく)
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